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オカシミ

EVERYTIME SOMETIME

20歳代前半まで煙草を吸っていました。1日1箱もいかなかったので中毒性は軽いものです。ただ煙をくゆらせていれば間を持て余さずに済むので、酒が入るとつぎつぎ抜いてしまうのが常でした。

お酒はわざわざタンブラーグラスで、と注文をつけたジントニック。店によってはカクテルグラスで出されてしまうからです。

煙草の銘柄はJTのSomeTime。メンソール煙草でインポテンツになるという都市伝説がありましたが、へそ曲がりの僕はあえてそればかり吸っていました。

人差し指と中指、そして親指の3本でつまみ、火先を掌の内側で自分に向け、顔をしかめて吸うスタイルはリー・ヴァン・クリーフか、スティーブ・マックイーンを真似たもの。実際にそうだったかは定かではありません。ただ彼らだったらそうしただろうという思いがありました。

とにかくカッコツケしいで、嫌らしい限りですが、当時は自分のスタイルを持つのに必死でしたから微笑ましいものです。

さてそのSomeTimeがある年、広告キャンペーンを行いました。

「EVERYTIME SOMETIME」のキャッチフレーズに永井博のイラスト。黒人ミュージシャンを配したシンプルで力強い駅貼りポスターに瞬時に心を奪われてしまいます。

そしてそのポスターがどうしても欲しくなった。

当時、広告制作の仕事に就いたばかりでした。ポスターを手に入れる方法はないか、何人かの先輩に尋ね実行したのが、JRの広告局を訪ねるというものでした。

たしか渋谷の宇田川町の坂を登った先だったと思います。予備としてストックされていた数枚をいただきました。

サイズはB倍です。縦1.030m、横1.456m。デザインはLAテイストの明るい色調で右サイドにペットを持ちニカっと笑う黒人。ビビッドなグリーンの背景色が余白として活かされた左サイドには小さく「EVERYTIME SOMETIME」の文字。

そもそも駅のホームから眺めるものですから、6畳のボロアパートに貼るとその迫力といったら凄いこと。壁の短辺をほぼポスターが占め、畳部屋に突然ぴっかぴかのステージが出現したようになりました。

中央に置かれたベッドに寝そべり、小型冷蔵庫に常時十数缶ストックしていたサントリーのジントニックをちびりちびりやりながら、僕はひとりごちたものでした。

このエピソードをさっきつれあいに話したところ覚えていました。でも彼女は初めて僕の部屋を訪れたとき、その隣の板の間にシンガーソングライターの水越けいこさんのポスターが貼ってあったことが衝撃だったそうです。

無頼を装っていても隠しきれないセンチメンタル。よく結婚してくれたものです。

実際のポスターではありませんが、同シリーズの作品がありました。Portrait「2」の中断。:永井博オフィシャルサイト

 

 

 

 

 

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