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ココロノ

ふと思い出したしみじみとした話、あるいは心にふわっとわいた考えを、とりとめもなく綴っています。巷の喧騒は基本スルーですが、ガマンがならぬことはあえてキツめに言わせてもらいます。

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38年前、僕はこのシートの使い方から広告の仕事を学んだ

2019/6/26    

本棚を整理していたら奥から級数表が出てきました。といっても一部の業界、それも相当昔の事情を知る方でなければピンとこないでしょう。     これは印刷物の文字に用いる写植の大きさを計測するシートです。単位の級(Q)から級数表と名づけられています。 1級(Q)と1歯(H)はともに0.25mmであり、シートの行を、文字の列に縦に当てることで字送りも計測できました。 なぜ僕がこの級数表を使っていたのかというと、それは広告の仕上がり見本を作成し、そこから入稿原稿を指定するためでした。広告のデザイン案をクライアントにプレゼンテーションするには最終形をイメージできるカンプを作成しなければなりません。一流のデザイン会社はほぼ実際 ...

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話を捨てに行く

2019/2/8    

  母の妹の友人に、ご主人と理容業を営む方がいます。実家が理容業だったため、若い頃から資格を取り、手伝っていました。そのうち理容業の男性との縁談が持ち込まれ、彼女は彼のお店へと移りました。もう数十年、その仕事を続けているベテランです。 母の妹はその女性に誘われ、半年に一度ほどのペースで東京に遊びに行くそうです。家からターミナル駅まで車で30分。さらに東京まで電車で2時間半。ちょっとそこまで、の距離ではありません。でも、どこを見物する、何を買う、といった目的があるわけでもない。ただ電車に揺られ、思いついたところで降り、お昼を食べて帰ってくるのです。 いったい何のために、そんなことをするのでしょう。その女性はあるとき母の妹にこ ...

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椿にまつわる東北の悲しい物語

2019/2/1    

民族学者である和歌森太郎氏は著書「花と日本人」で柳田國男を引用し、南国から北国への長い移住の歴史のなかで、祖先たちが手に携えていたのは武器や農具、作物の種だけではなく椿の実や枝も含まれていたはず、としています。 雪の深い東北で、暖かい春の到来を信じるよすがとなったのが、緑濃い椿の葉と、ぼってりふくよかな生命あふれる花ではなかったか、という発想には説得力があります。木に春と書いて「椿」。なるほどそのいわれがわかるような気がします。 椿は根付きのよい木ではないそうです。それでも幾多の人々が繰り返し育てようと試みた結果が、東北各地にいまある椿の名所だということです。 氏はある伝承を紹介しています。 海運の船頭と村の娘が恋仲となる。ある日、 ...

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夭逝

2019/1/25    

  深い雑木林の坂道をつらつら登った頂上に、その火葬場はある。老朽化して何度か建て替えの話はあったが、周辺への新たな補償問題などが障害となり、立ち消えとなっていた。 煤けたコンクリートの小さな建物に炉が五つ。棺の置かれる炉前は柱で囲われてはいるが、吹きさらしとなっており、利用者の評判は芳しくない。 秋の彼岸の中日。一人の女性と二人の男性のベテラン職員の手によって、僕たちのための作業は滞りなく進められた。 収骨の段となり、年かさの男性職員が馴れた様子で家族や親族に焼き終わった骨の状況を説明する。参列者の多くが、幾度もそのような状況に接してきたであろう年恰好ではあるが、身内となるとまた違うのだろう、顔を寄せ合い熱心に話を聞いて ...

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初恋

2019/1/25    ,

中学1年生のとき、なんとなくいいなと思う女の子がいました。 やせていて背が高く、主だったグループからはちょっと距離を置いている。笑顔を見せることはあまりなく、謎めいた視線がとても印象的でした。幼いころ、めんどうを見てくれた叔母に、外見がどことなく似ていたのも好意を持った理由かもしれません。 ある日、美術でポートレート・スケッチの授業がありました。男女がイーゼルを向かい合わせ、相手を描きます。どちらが先に指名したのか、もう忘れましたが、僕らはめでたくペアとなりました。 言葉をまともに交わしたのは、たぶん初めてで、冗談を言って笑わせたのもきっと初めてです。言葉遊びはやがて沈黙に変わり、互いをつぶさに観察しあう時が過ぎました。 僕は幸運に ...

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