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怪談

オカシミ スライドショー

狸に化かされた大叔父

2019/3/1    , ,

  大叔父は、背が高く、笑顔を絶やさない男だった。10人兄弟の一番上が僕の祖母で、すぐ下の弟が大叔父だった。農業に篤い親は戦時中にお国から勲章をいただいている。それなりの家のお坊ちゃんだった。何にでも興味を示し、博識で知られていた。 僕の妹が結婚相手を決めたとき、まだ親同士が会ってもいないうちから、新郎の自宅を探し当て、カメラに収め、わざわざ写真を見せにきてくれた。少しおせっかいなところがあったが、人柄がそれを笑い話にした。 半農半漁の僕の生家では、秋に祭りがあった。いわゆる収穫祭である。近在の親類を呼び集め、御馳走を振る舞った。「祭り」が転じて「まち」と呼ばれていた。 当日は表座敷と奥座敷の仕切戸が取り払われ、客用の卓が ...

フルサト

通学路

2019/1/31    ,

  小学生の頃、学校は丘を一つ越えた反対側にあった。 村の児童は雑木林に挟まれた細い農道を通学路としていた。 朝は集団登校なのでへっちゃらなのだが、放課後遅くなってしまってからの下校はちょっと恐ろしかった。 八幡神社の裏手は暗い木陰のなかに大きな忠魂碑が立ち、首吊りの多いことで知られていた。一人で帰らなければならないときは、なるべく何も見ないよう薄目で走り抜けたものだ。 通学路にはほかにも怖い場所があった。 丘の上に広がる畑の隅に数本の山桜が並んでいた。まだ坂口安吾も梶井基次郎も知らなかったが、満開の時期には、その溢れすぎる精気に気圧され、つい足早になってしまった。 また雑木林のうす暗い土手には1本の椿があった。冬になると ...

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ココロノ

怪異譚 | 玄関向こうの虚ろな「こんばんは」と墓山からの呼び声

2018/12/1    

僕が体験した不思議なこと、じっさいに見たこと、聞いたことをご紹介しています。第3回は虚空から放たれた声のお話です。   くつろぎの時間を一瞬で凍らせた「声の訪問者」 Jeroen Andel   生家は古い民家で、仏壇横の壁には曾祖母や戦死した祖父の弟の遺影が飾られていました。仏壇のある広く明るい座敷は、雨戸が閉められた薄暗い奥座敷につながっています。その間は幅2間高さ1間ほどの開口部となっており、ハメ込み細工がガラス板で覆われた4枚の引き戸で仕切られていました。冬場は寒いので、閉め切ってあるのが常です。 僕がまだ小学生だったある日、その間仕切りにラップ現象のようなことが起きました。 突然、向こう側から大人が体当 ...

ココロノ

怪異譚 | 屋根の上を飛ぶ火の玉と初七日の夜に舞い降りた白い光

2018/12/1    

僕が体験した不思議なこと、じっさいに見たこと、聞いたことをご紹介しています。第2回は謎の光体です。   屋根の上を炎をあげて飛ぶオレンジ色の火の玉 Anders Jildén   中学生のとき、実家のトイレは外にありました。市の博物館が調査にくるような古いつくりの民家で、昔ながらの百姓の生活スタイルがそのまま残っていたためです。 泥の付いた野良着をいちいち脱ぎ着するまでもなくそのまま用が足せるのは、きわめて合理的ですが、思春期の少年にとって、それは人生における憂鬱の一大事であり、友人が家に遊びにきたときなどは外のトイレの存在を知られたくなく、早く帰るようわざと冷たくあしらったものです。 さて、それは中学1年生の秋 ...

ココロノ

怪異譚 | 夏に写り込んだ冬山、そしてテントを回り続けた登山靴

2018/12/1    

  僕が体験した不思議なこと、じっさいに見たこと、聞いたことをご紹介します。第1回は登山での出来事です。   夏に写り込んだ冬山と誰のものでもないリュック Stephen Ellis   20代前半のある時期、山登りをしていました。大学を中退しアルバイトで働き始めた小さな町工場の若社長が山好きで、彼と社員らの登山グループに入れてくれたのがきっかけです。 これは職場のリーダーと二人で初夏、南アルプス北岳に登ったときの出来事です。 登頂を無事終え、のんびり下山していたところ森林限界まで来たので、コーヒーで一服することにしました。 森林限界とは高度の影響で森を構成するような樹木が生えなくなる地点のことです。そ ...

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