高校の同窓会幹事から毎年年賀状をいただく。
東京に出ている者だけでときどき飲み会を開いているのでどうか、と別の知り合いから誘われ2回ほど参加したことがある。その幹事であり、さらにクラス同窓会の幹事も買って出るという元気いっぱいの女性だ。
うちの学校には珍しく長めのスカートを履きヤンキーの臭いを漂わせていたが、数十年たち大いに社交性を発揮し、いまや同窓会の要である。
数年前に旦那と沖縄に移住しダイビング三昧と聞いている。
たまたま隣に座った酒の席で、どこぞの海でマンタの大群と対面したときの感動が忘れられないと話してくれたことがある。
2回目の東京会の後、東京駅の広いコンコースで酔った彼女に猛烈なハグをされ、こちらもまるで恋人のような熱いハグで返して以来、会っていない。
さて、彼女からの年賀状には今年も連絡先不明者4名の名前が敬称略で記されている。
不思議なもので、名前を見ただけで当時の面影が浮かぶ。いずれも無口で直接話したことなどなかったが、なぜかそうした負のオーラがいまとなっては印象深い。
高校の同窓会などいまやまったく興味のないことなんだろうが、知らないところで行方を追われていると知ったらどんな気持ちだろう。もう老境に入る歳なのだから放っておいてあげればいいのにと思う。しかしそれを見過ごしておけないのが彼女の美徳なのだろう。
今年は5年に一度のクラス同窓会の年だという。彼女は沖縄からやってくるだろうか。