月は言った
「あなたはずっと眩しかった
その眩しさが憎いときもありました
でも一人残されるのが
こわくて、くやしくて
意地であなたを追い掛けた」
太陽は言った
「きみがあのとき
さみしい思いをしていたのはわかっていた
それでもぼくは
自分を輝かせることしか考えない
わがままな男だった」
「女を泣かせて平気でいる男なんてサイテー」
月は太陽に手を伸ばし微笑む
「でも、いいわ
いまはこうして
二人でいるんだから」
太陽は、申し訳なさそうにうつむく
「ありがとう
きみの人生はそれでよかったのかい
ぼくの人生は…」
太陽はその灼熱をひそめ
穏やかに辺りを照らす力しか
もはや持ちあわせていない
月は東の空で
わたしのときの輝きを自覚する
twilight
二つの、光が、出逢うとき