本サイトはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています

ユニットバスの修理対応で明暗を分けた「ユーザー体験」への気配り

この記事は約4分で読めます。

まったく関心がなかったのに、突如としてそのお店や会社のことが好きになる。あなたも体験したことがありませんか。そらよりは今日、その典型的な出来事に遭遇したので、ちょっと書きたいと思います。UX(ユーザーエクスペリエンス)って言葉を、当たり前のように使ってきたけど、具体的にはこういうことなんだなあ、と腹に落ちました。

 

浴室換気扇

▲画像はイメージ

 

スポンサーリンク

換気扇が故障、どこに修理を依頼する?

ことの発端は実家のユニットバスの換気扇の故障です。1998年製で、亡父が購入しました。これがスイッチを入れてもウンともスンともいわない。カタログや保証書は雑多な書類にまぎれ見つけることができません。長い間別居していて突然相続することになった者が遭遇する万事窮すの、些細な事例の一つでしょう。

さて修理を依頼しなくてはなりません。しかしどこにお願いすればよいのか。ガス給湯器のスイッチパネルにもしもの時の連絡先が書いてあります。仮りにA社と呼びます。以前にもここに連絡したことがありました。手元の控えを見るとガス給湯器本体の修理を3年前に依頼していました。A社からガス給湯器で有名なメーカーB社の連絡先を告げられ、直してもらいました。

今回の故障は換気扇です。よくわからないので通常のルートを守り、A社にまず電話を入れることにしました。日曜日に実家でユニットバスの型番らしきものを控え、営業が再開する月曜日に自宅から問い合わせました。

 

必要な番号を控えていなかった

ここでまずそらよりの不手際があったことを先にオープンにしておきます。それは換気扇自体の品番をチェックしておかなかったことです。以前の修理でドアの裏側にユニットバスの品番が書いてあると教えていただいた記憶があったので、その番号しか控えてきませんでした。

ユニットバスが複数のメーカーの製品で構成されていることは理解しているつもりでした。しかし換気扇とユニットバスの筐体が別物だったとは、このときは思いが至りませんでした。

 

正しいA社の対応

まずA社に問い合わせました。予想通りドアの裏側の番号を尋ねられました。2000年以降の製品は、そこに書かれた複数の番号で用いられた製品が判別できるのだそうです。番号は一つしかありませんでした。最後の四角い枠で囲まれた二けたは98でした。1998年製だそうです。個別に製品番号を調べなければなりません。換気扇は天井のカバーを外した本体に書かれているそうです。電話の向こうの担当の方からは

「その番号がわからなければ当社製のものか判断できず、伺って違った場合、訪問料が無駄になってしまうので、調べてから電話をお掛け直しください」

そんな趣旨の回答をいただきました。まったくの正論です。理路整然とした説明で返す言葉もありません。しかし途方に暮れたユーザーがその瞬間生まれました。実家までは電車と徒歩で3時間以上掛かります。そう簡単に調べてこれる距離ではありません。年老いた母に浴槽の上に足を掛け番号を調べてくれ、寝るときは浴槽の窓を開け放ったままにしてくれと言うわけにもいきません。日曜日のあのとき、換気扇の番号もチェックしておけば。己の迂闊さを呪いました。

 

感動のB社の対応

今週末にもう一度確かめに行くか、とあきらめかけたその時、もしかしたらと思いついたのです。この時代、同サイズの他メーカー品ならいくらでもあるだろう。ダメもとでB社に問い合わせてみることにしました。この「ダメもと」というのが凄いんですよね。原点、いやもしかしたらマイナスかもしれない地点からのスタートですから、多少のことでは負のイメージとはならない。図らずもA社の対応がB社にアドバンテージを与えてしまいました。

B社に問い合わせました。受付の女性は「新人の○○です」と電話に出ました。大丈夫かなと思いつつA社に説明した内容を伝えました。うまいですね。「新人の」が効が奏し、少し丁寧に事情を話したように思います。
「専門の者に聞いてみます」との返答から10秒も待たず「とりあえず現場を見せていただいてよろしいでしょうか」の提案。願ってもないことと即座に訪問を依頼しました。午前9時30分に「本日伺えますが」とこちらの予定を確認され、10時20分に修理担当の方から訪問時間を告げられ、11時過ぎには点検の結果、原因が判明。換気扇本体の交換となり、適合するサイズの製品を調べてくれることになりました。

 

人がブランドを作る

A社は標準の対応でしょう。間違いはどこにもない。しかしB社はエクセレントな「ユーザー体験」を与えてくれました。そらよりのそれまでの不安は解消され、幸運に満ちた週のスタートに変えてくれました。繰り返しになりますが、きっと「新人の」とした対応は上司あるいは所長さんの見識でしょう。そこからエクセレントの小路は始まっていたのです。巧みな顧客満足への誘い。そらよりはここにB社のブランドを感じました。「約束された感動の物語」があると確信したのです。その結果、そらよりの心に何が芽生えたでしょう。「次のユニットバスはぜひお願いしよう」。B社は隠れた予約注文を一つ獲得しました。

 

 

 

 

 

タイトルとURLをコピーしました