この3月で満17歳となった黒猫姉様。毎日の習慣で午後2時になるとうるさく鳴きだします。顔を半分だけ覗かせ、くしけずりと猫草の催促であります。
老猫ですから、そこはこちらの胸の内などお見通し。思いを成し遂げるまで、しつこく鳴き続けます。いつまでも無視していると階段の踊り場に出て、別のフロアで仕事をしている連れ合いに言いつける始末。黒猫姉様の方からのご指名で、この時間のくしけずりと猫草おやつはそらよりの役目と決まっているので、やってあげないわけにはいきません。
まあ、そこはそれ。彼女のことが大好きですから。毎回「う~ん? かゆいの?」と息子娘も気持ち悪がるネコナデ声で「しょうがないね~、ほれほれ」と結局は招き入れるのであります。
ソファに座り、肘掛けの下にいつもセットしてあるステンレスの櫛を手に持つと、そそくさとやってきて膝に座ります。
うちにはもう1匹、4歳のパステルミケ娘様がいて、そちらはまだ膝の上に乗ってくれません。この黒猫姉様もはじめのうちはダメでしたが、痩せ体質なので冬場は寒いのか、5歳を過ぎたあたりからようやく膝に乗るようになりました。お互いの体温を感じるこのスキンシップがたまりません。
よかったらくしけずりの様子を動画でご覧くださいまし。
気持ちよさそうでしょ? ときどき爪を立てるんです。それがスウェットを通して腿に当たり、ちょっと痛いんだけど、彼女も気持ちいいのがわかって可愛いことこの上なしなのであります。
ビデオにも映っていますが、くしけずりの途中で必ず人間の指先の匂いを嗅いで確認します。そして櫛についた毛の匂いも。たまに足元にからみつくパステルミケ娘様と同時にくしけずってあげることがあります。彼女はそれがイヤらしいのです。若い娘の毛が混ざっているとわかるとプイと膝から降りてしまいます。
年老いたせいか、顎の近くをくしけずるとくちゃくちゃと口を鳴らします。本当に歳をとっているんだね、となんだか寂しい、そしてとても愛おしい気持ちになります。
ひとしきりくしけずりをやると、自分で勝手に膝を降り、窓辺に歩いていきます。振り返って、次は猫草の催促です。
種を撒いて育てた猫草の鉢は、真冬ではない限り外の花台に置いてあります。これは窓を開けてちょうだい、のニャアです。
自分でムシャムシャむしりとって食べます。朝はパステルミケ娘様との競争なので、そらよりが短かくちぎってあげているのですが、そのときは食べたエサとともに吐き戻してしまうことがあります。でも午後2時のおやつはしっかり胃に収まるよう。人間と同じで、自分で好きなように、がいいようです。
おやつを終えてまったりくつろぐ黒猫姉様。まだまだ生きてほしいと思います。
黒猫姉様とパステルミケ娘様の詳細は「そらより、とは」で